神映画「サマーウォーズ」について語る
今回は、俺が人生で一番好きな映画「サマーウォーズ」について語ろうと思う。
※読む前に注意書き
映画の感想はすごく個人の価値観が反映されるものであると思っていますが
この記事の内容はほとんど筆者であるかわたく個人の解釈なので「それは違うだろ」と思われたり気分を害されたりしたらそこは申し訳ない。先に謝ります。
ちなみにサマーウォーズは7/28~8/11まで全国の映画館で再上映しているのでまだ見たことがない人も見たことがある人もはぜひとも映画館見ていただきたい。
(元ネタになったぼくらのウォーゲームも映画館で見れねえかなぁ)
サマーウォーズのここが凄い
その1.話の解像度が凄い
まずサマーウォーズという映画の世界線には以下の2つの要素が大きく関わってくる。
・田舎の親戚の集まり(で、数学が少し得意な普通の高校生が世界を救う)
・「OZ」という全世界で普及しているSNSの存在
この一見結びつかない2つのテーマが見事にマッチしていて、さらにこの2つの要素をかなり解像度を高くして取り扱っているのが本当にこの映画の凄いところだと思う。
この2つのテーマで何か脚本書いてね、映画作ってねと言われてこのストーリー思いつくのがまずありえないし、そんでもってできあがった世界観が良すぎないか??と思うんですがみなさんどうでしょう。
で、解像度が高いっていうのは結局何を言っているかというとこの2つの要素に対する解像度が凄い。
「田舎にいる親戚が夏のお盆の時期に大集結する」という経験をどれくらいの人がするものかどうかわからないが、まーーーーじでこれがリアルに描かれているなと思う。
家系図のどこにいるかわからない人、何しているかよくわからない人がいて、
夏にとりあえず集まったはいいものの大人たちが忙しなくしていて、子供は暇で、、、
登場人物の項でも記載するが、根本の世界観の軸であるとこれがとにかくリアルに描かれていてこの映画のすごく良い部分の一つだなと思う。
(ちなみに筆者の祖母は4人兄妹で、それぞれの子供とその旦那嫁、孫がほぼ全員お盆になると集合していたのでまじでサマーウォーズみたいな経験を毎年していました。)
そして、SNSが普及した世界に対する解像度、SNSが普及しすぎるとこんな弊害も起こるよね、ということに対する解像度もこの映画は常軌を逸してるんじゃなかろうか。
この映画は”OZ”のサービスについての説明シーンから始まる。
最初にOZの世界観を演出しておくことで「あ、この世界はOZのおかげで成り立っているんだな」という前提がすぐに入ってくる。当時の人からしてもすげえ便利そうなサービスだなあということはすぐにわかると思う。
このOZがインフラをはじめとする人類の生活基盤からの依存度がとにかく高いという事実が、「ラブマシーン」の暴走による世界中の大混乱を招いてしまうのだが、、、
これを描けるのが凄い。
しかもSNSの存在感がまだまだ薄い2009年に公開されているというのだから凄い。
2023年でこの話を思いついても正直そこまでインパクトはない気がします。
(他の細田作品でも「竜とそばかすの姫」の冒頭の世界観の表現も同様に素晴らしいと思う、尤もこの映画は脚本が酷すぎて誉めるところはそこぐらいしかないが、、、※個人の感想
よく勘違いされるので補足しておくと、「サマーウォーズ」は細田監督の作品として有名であるが、あくまで脚本は「奥寺佐渡子」氏が書いている。細田監督は主に映画内の演出に携わっていている。但し例外として「竜とそばかすの姫」では脚本を細田氏が書いている)
ちなみに主人公である健二が得意な数学についてもまあまあ上手い取り扱い方をしているなぁと思った。
高校生ワイは健二に憧れてモジュロ演算を必死に覚えようと思ったけど頭が悪いので無理でした。
(コンピュータには解くのが不得意なRSA暗号とか、2056桁の因数分解はどう考えても人間にも無理だと思うんですが、、、、、あと、映画では2056桁って言ってたけど絶対2048桁の間違いだろこれ)
その2.無駄なセリフ、シーン、登場人物が一切出てこない
サマーウォーズに出てくる親戚一家として「陣内家」という大家族が出てくるのだが、下の家系図を見ての通り、これがまあかなりの大所帯なのである。
それであるにも関わらず、この大所帯の一人一人それぞれが「よくある親戚の集い感」を丁寧に描写してくれたり、ストーリーの根幹に関わってきたり、世界観の形成に貢献してくれているのが凄いな、と感じる。
例えば
・元気なお爺ちゃん感
・食事シーンで語られる「上田合戦」でのやたら家系に詳しく話の長い感じ
⇨後にvsラブマシーンでの戦略に繋がる
・親戚内でたまにいる家事を手伝わないどうしようもない人の存在
・息子の了平の甲子園を常に応援している(≒夏っぽさ、映画の季節感の描写)
その他にも親族の大人たちもそれぞれ別の職業に就いているが、それぞれの職業がちゃんと活きてくるシーンがたくさんある。
(ちょっと言えないとこ、のシーンすこ)
そしてサマーウォーズには”3人の主人公がいて、3人それぞれの戦いが描写される”
という裏テーマがあると思う。
1人目の主人公:小磯健二(ケンジ)
2人目の主人公:篠原夏希(ナツキ)
3人目の主人公:池沢佳主馬(カズマ、キングカズマ)
正直カズマが主人公だろみたいなシーンの方がこの映画全然多いまである。
この映画が短時間で見どころがたくさんあって飽きないのは登場人物の多さだったりこの3人のそれぞれの戦いが休みなく良いバランスで繰り広げられるところにあると思う。
というかこんなに登場人物が多いのにそれぞれのキャラを殺さずにたかが2時間弱の映画にまとめられるのって何?神か?
冷静に何回も見返すとナツキは結構嫌な女ということにも段々気づく
その3.伏線の散りばめ方がうまい
まあ別に特段伏線がすごい映画というわけではないけど、良作の映画に多い「伏線の埋め方がどれも綺麗で無駄がない」というのがこの映画の良さを際立てているようにも思います。
・侘助が栄の薙刀を避けた際に携帯を落とす(一瞬だけ描かれる)
⇨この携帯をナツキが拾い、後に侘助が栄の誕生日をパスワードにしていたことの描写、侘助への連絡手段につながる
・冒頭からずっとしれーっと「小惑星探査機あらわし」のニュースが流れている
⇨ラストのシーンでラブマシーンの最後の抵抗に使われる
映画の日常シーンで流れているニュースって8割は伏線な気がする
・万助の「多数を率いる徳川軍に対し少数で戦い抜いた上田合戦」
上に書いた通り、何でもないように思えるシーンでの語りが後のラブマシーン戦の戦略に繋がる
・ナツキvsラブマシーン(花札)にて、ラブマシーンが所有するアカウント数の表示が2で止まる⇨健二のアカウントがまだ取り返せていないことの示唆
0じゃなくて2なのに勝ったって皆が思っちゃうその心理をちゃんとこの映画はついてくる。
・ラブマシーンはAIでありながら「ゲームが好き」という特性をもつ説明
⇨各シーンでの行動原理に繋がる
カズマの登場時のセリフ
「ゲームじゃない、スポーツ。戦って勝つのが好きなんだ。べつにゲームは好きじゃない」
⇨カズマはあくまでゲームは好きではなく、OZの世界における格闘技をスポーツとして捉えている。
カズマvsラブマシーン(1回目)
カズマ敗北後のセリフ
「でも、奴は違う。奴はゲームが好きなんだ」
⇨ラブマシーンはOZの世界での暴走をゲームとして楽しんでいる
花札での勝負を申し込む時のカズマのセリフ
「奴は必ず乗っかってくる」
⇨ゲーム好きのラブマシーンは花札の勝負を受け入れてくることを完全に読んでいた
〜個人的にいいと思う描写、セリフなど〜
・栄から侘助への第一声「ご飯食べたかい?」
⇨遺言「家族へ」で「みんなでご飯を食べなさい」
資産を持ち逃げした侘助と10年ぶりに再会してこのセリフ、、、、
遺言にもある通り栄おばあちゃんは家族みんなのことを想っていることがよくわかる。そしてこの映画のテーマである「家族愛」が良く描写されているシーンではなかろうか。
・万作おじさん(医者)「いや…寿命だろう」
ラブマシーンの暴走により栄の持病(心臓病)のモニタリングが正常にできていなかった⇨ラブマシーン(侘助)のせい、と考える親族一同
医者としての一仕事を終え、母親が亡くなり周りの親族もかなり動揺している中でタバコを吸いながら放った一言。
そこでこのセリフが出てくる医療人としての器というべきなのか、器量深さというか、、、
・翔太「しゃんとしろ!俺たちがついてる!」
ずっとウザいキャラとして描かれていた翔太が最後の最後で認めていなかった健二を勇気づけるのがいい。
氷を勝手に運んだのは許されないけど最後にちゃんと株上げてくれた。
結論
まだまだこの映画の良いところは筆舌に尽くし難いのですがとにかくサマーウォーズは神映画です。
記事見返したら侘助の良さとか栄おばあちゃんの凄さとかに全然触れられてないやん、、、と思いましたが書くのだるいんでもう公開します。
みてない人はぜひ一度でいいのでみてください。
「よろしくお願いしまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああす!!!」
雀カスにしか伝わらないカス麻雀あるある
一部個人の主観あり
■ザンク出上がったときのムーブは1100点放銃
25000点持ってる状態で青棒4本渡さないように気をつけましょう👆
■フリーのジジイに対してなんでそれリーチせんねんみたいな手をダマでツモられて結果的にダメージ減ってんのに謎にクソ腹たつ
平場の平和ドラ1を誰もリーチしていない状態でダマってるおっさん謎すぎる
■ゴットーとナナトーサンの点数申告は手牌見んでも点棒渡せるけど1326からはドラか?タンヤオか?って凝視するし30006000に関しては粗探しする、40008000は指折らんかったことはない
※但し最後に関してはリーヅモチートイオモオモウラウラという例外あり。
これ書いてて思ったけどリア麻で三倍満ツモられたことない気がした
(フリーでメンバー2人相手にメンピンソクツモジュンチャン3色ドラドラをツモったことはある👆)
■学生街の雀荘でたまに4人とも点数計算できんのか知らんけどやたら毎回点数表見にくる大学生セットに遭遇する
結局そいつらが全自動卓囲んで雀魂始め出したときは心の中でクソ笑った
■副露者の手出しに違和感あるなとか変に長考してたら
鳴こうと思ってた1枚切れの字牌鳴き逃してクソ萎えるけど結果的に直後リーチきて放銃回避する
セットで雑談してるときとかもやりがち
■徹麻の3時半くらいにメンチン張る気配迎えてみんなも頭働いてないからダマっとけば染めには基本気付かれんけど長考入れるとバレるから事前に考えとくかとか思っといて結局深夜で頭働いてないからツモってからクソ長考してまう
■槓子ある手でテンパったからカンしてリーチしようと思った時にリンシャンでツモるのなんかモヤる
リンシャン付くとは言え裏は見たかった
■愚形でとりあえずリーチ打ったけどどうせまあツモれんし菓子パンでも食おうかなとか思ったときに限って一発で白ぽツモってなんかグダる
牌持ってきたとき「え!w」とか言っちゃう
■リャンメンカンチャンに遭遇したときちょっと嬉しいと思いきや2ヘッドあるせいでそんなに良型としての恩恵を受けれない
※リャンメンカンチャンについてはググれ
245667のように2面子になる受け入れが3種類あるやつ、一見2が余剰牌に見える
頭が他で固定されているときは良型として使える、他には356778とか
→ 246と567で分けるとわかりやすいよ
■2軒リーチ入って手牌バラバラで全く参加するつもりなかったのに気づいたらチートイテンパって都合よくダブルワンチャンスとか両方のスジとかで「まあこれくらい切るか〜ww」って切ってそう言う時に限って当たる
■自分本手のシャンテンで先制リーチ食らってとりあえず筋の本数だけ数えるけど何本通ってても「まあ1筋ぐらいええかw」と思って押す
どっちかと言うと最初から押すつもりでとりあえず数えとくかみたいなノリ
■親リー入った後に鳴き入れて1筋だけ押して10002000上がるの謎にクソ気持ちいい
別に謎ではないかw
■zooで食う一平ちゃんの塩焼きそばがこの世の食事でトップ3に入るぐらいうまい
■ドラに気づかず切ってしまうやつ、世間一般的には字牌でよくやりがちみたいな風潮あるけどドラ表9のときの1とかの方が圧倒的に多い
裏付けとして字牌は「字か〜、、」みたいな若干の萎えが刻まれるけど数字は印象薄くて刻まれにくいみたいなところがある
■役満やレア手役の1シャンテンとかで押して放銃したときむしろ清々しさを感じるが聴牌はブチギレの方が勝つ
■Mリーグのコメントくだらんすぎて逆におもろいやつある
最近笑ってもうたやつ→ドリブンズに呂布カルマ入れろ
他にもあれば教えてください募集します
これはないやろっていうのもツッコミ待ってます
軽音界隈におけるキーボーディストの苦悩(前半)
タイトル通り軽音・バンド界隈におけるキーボーディストの苦悩についてつらつら述べていきたい。
本題に入る前に、筆者の鍵盤弾きとしてのルーツ的なものをしばし語らせてほしい。
筆者が初めて鍵盤に触れたのは5歳のときである。
それはピアノ、、ではなくエレクトーンと呼ばれるものであった。
両手と片足で同時に3つの旋律を鍵盤で弾くというやったことのない人からすればそんなこと本当にできるの?って感じの楽器で、
基本的にはボーカルのメロディ、主旋律を右手、
ギターコードやピアノコードを左手、
ベース音を足
で弾くことにより曲が成立する。
ドラムやパーカッション音はシーケンサによって打ち込まれていることがほとんどで、このシーケンサに合わせて曲を演奏する。
自分が通っていたエレクトーン教室が比較的ゆるかったということもあり、割と楽しく5歳から18歳まで演奏していた。
そしてそのエレクトーン教室、ヤマハ音楽教室に縁があり、詳しい経緯は省略するが初めてバンドのキーボードとして演奏したのは小学校三年生のときだった。
シャ乱Qのシングルベッドやズルい女のシンセをショルキーで弾いたのが初めてで、バンドメンバーもなんかやたら多かったことだけは覚えている(謎に10人くらいいた)。
そしてなんやかんやあって大学に入り、周りの音楽のレベルの高さに辟易としていたこともあって俺は絶対音楽をやらねえと思いながらも気づいたら軽音サークルに入って大学のB1〜B3の3年間で大体500曲弱演奏した。
この記事では主にこの大学時代の経験による苦悩をメインで語っていく。
ルーツを語らせてくれとかかっこつけたくせにすごい雑になっちゃった、まあいいや
・まずなぜこの記事を書こうと思ったのか
最近、ぼっちざろっくを一気見した。
友達のいないぼっちインキャ女子高生がバンドに打ち込むというまあ面白いアニメなのだが
現在(2022/12/19)時点で
キーボーディストが一人も出てこないのである。
いや、それどころか
バンドアニメのはずなのに鍵盤の1鍵すら観測できなかった。
まるでゆるゆりにおける男性キャラである。
アニメ自体は結構面白かったし、長くバンドをやっている人間からするとリアルやなぁと思う描写もいっぱいあっただけに一人のキーボーディストとしてはその事実に気づいた時は無念すら感じてしまった。
よし、この気持ちを記事にしよう。
ということでこの記事は生まれた。
次項からは本題に入る。
1.バンドの楽器としてカウントしてもらえない
どういうことか説明しよう。
Twitterやインスタでこういう投稿を結構目にする。
パターン①:軽音部に入るあなたに楽器診断!
◯◯なあなたは、、ギター!
◯◯なあなたは、、ベース!
◯◯なあなたは、、ドラム!
...
...
いや、キーボードは?
パターン②:軽音あるある!
軽音あるあるボーカル編!
間奏のギターソロ中座りがち!
軽音あるあるギター編!
カポつけ忘れて最初の2小節目で演奏止めちゃう!
軽音あるあるベース編!
親指の反り具合でマウント取りがち!
軽音あるあるドラム編!
個人練の一番最初にスネア叩いてスナッピー上げ忘れて「あ」ってなっちゃう!
...
...
いや、キーボードは?
こんな感じでキーボードを軽音の楽器として認識していない輩が一定数いる。
(もちろんちゃんと仲間に入れてくれている人もいるが)
さらにバンドマンのあなた、こんな経験はないだろうか。
初対面の人にバンドやってますと言うと、「ギターやってそう!」とか「ドラムやってそう!」とかイメージでどのパートを担当してそうかを言われるという会話だ。
「ギター?」 →No!
「ベース!」 →No!
「てことはドラム?」 →No!
「え?じゃあボーカルってこと?」 →No!
「え?何やってるの?」 →「キーボードやで」
「あー…」
「あー…」じゃねえよ。
2.一曲中に合計8小節しか弾かせてもらえないような曲が普通にめちゃくちゃある
以前にツイッターでこんなツイートを見つけた。
本家のツイートのリンクをちゃんと貼ろうと探しにいったがツイートが消えていたので以下に要約する。説明が下手だったらごめん。
※ツイート消えてませんでした、失礼
・ある軽音部では入部した新入生が新入生同志でバンドを組み課題曲を演奏するしきたりがあった
・課題曲はニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」であった
(言うまでもないが洋楽における超有名レジェンド曲である、筆者は高1のときにこの曲にハマり高1の1年間だけで何百回聴いたかわからんくらい聴いた)
・どんな編成でもこの曲をしないといけない
・ある年新入生にキーボード志望の子が入り、編成がキーボード入りとなった
・だが「Smells Like Teen Spirit」にはキーボードのパートが存在しない
また、この曲の特徴の1つであるイントロにはパワーコードのカッティングを交えたフレーズ(デェーンデデッチャキチャキデンデンデンデェーンデデッチャキチャキデンデンデ)があるのだが、
このフレーズの後に絶妙なギターの「タラー(音階はドファ)」という音が鳴る。
そして
・この新入生バンドのキーボーディストが弾くことを許されたフレーズは「ドファー」のみであった
キーボードのない曲において無理にキーボードを編成するという状況がために、
この新入生キーボーディストは5分ある曲のうち「ドファー」と12回弾くだけであとはずっと演奏中棒立ちというとても悲しいことになってしまったのである。
この「ドファー」事件、結構RTもされておりその反応は
「ドファーwww」
「シュールすぎるww」
といった反応がほとんどだったのをよく覚えているのだが、筆者は全く笑えなかった。
むしろ憤りすら感じた。
この状況、身に覚えしかないからである。
もし自分がこの状況に遭遇したら絶望しキーボードの人に全力で同情すると思う。
「しょうがないよな、だって弾くとこないしアレンジしてオリジナルのフレーズ考えようものなら曲の雰囲気全然変わるしそもそもアレンジなんて普通したことないもんな」
と抱擁してあげたくなるだろう。
そしてこの状況はマジで普通に起こり得る。
世の中のほとんどの曲は大体3〜5分くらいの尺なのだが、ちょこっとサビの前やAメロの前にギターやベースやドラムでは出せない音が入ってる、みたいな曲がめちゃくちゃあったりする。
大体曲の中に1回だけ、とかであればドラムがスティックやハイハットを叩いたりしてなんとかなったりするものの、サビ前で目立つ、曲の中で割と何回か出てくる、となるとキーボードが呼ばれるということがある。
そしてこのドファー事件が起こってしまう。(血涙)
ちなみにこのドファー事件が起こりうる曲、具体的にどんなのがあるかを挙げてみよう。
・SCANDALの瞬間センチメンタル
・ワンオクの最近の曲全般(Stuck in the middleとかCry Outとか)
書いてて思ったけどこれらの曲も最早最近とは言えなくなってきた、恐ろしい
・ユニゾンの徹頭徹尾夜な夜なドライブ
・ブルーハーツのTrain Train
・KEYTALKの桜花爛漫、Monster Dance
・フレデリックのオドループ
・CrossfaithのJagerbomb
・Mrs. GREEN APPLEのパブリックや愛情と矛先(どちらも一応ソロがあるのでマシだが、それでも曲中のほとんどは暇でしょうがない)
、、、などなど
ワンオクとかUVERとかドロスとかは多分めっちゃ該当曲多いと思う
てかミセス、お前キーボードパートバンド内におるやんけ、どうなってんねん
余談だが、ドファー事件対策法としては以下が有効だろう。
・the telephonesの岡本さんになる
the telephonesというバンドがあるのだが、このバンドのキーボードを担当する岡本氏、楽曲中に演奏していない時間における立ち回りが結構ヤバい。
上半身裸で狂ったようにステージの端から端まで走り回ったり気づいたらステージからいなくなったりしている。
もし演奏していない時間、棒立ちしていてやることがないのであれば岡本氏のように狂ってみてはいかがだろうか。
3.演奏のハードルが高い(音作りが難しい)
今度は2とは対照的な話となる。
軽音でキーボードやってる人、結構パターンとして多いのが
「昔ピアノ(エレクトーン)習ってたけど軽音部入ってみたかったから入ったらキーボードをやることになった」
だと思う。
そんな鍵盤の演奏には問題ないですよー、という人でも、バンドを演奏する上で必ず最初にある壁にぶち当たる。
そう、音作りである。
市販のキーボード(シンセサイザー)には何100種類もプリセット音色※が入ってたりするのだが、初めてキーボードパートを任された人は演奏する曲の演奏するフレーズに近い音色はどれだろう、と音色を探す作業を絶対にやる。
(※シンセサイザーに元から設定されている音色のことをプリセット音色という)
そしてある程度なんとかなったりするのだが、いろんな曲に出会っていくうちにプリセット音色の中に曲の雰囲気にぴったりあう音がないという状況に陥る。
この状況に陥ったキーボーディストは初めて音作りにチャレンジすることになる。
そして絶望する。
エンべ、ADSR、LFO、ポルタメント、モジュレーション、ノコギリ波、矩形波、三角波、BPF、LPF、HPF、カットオフ、レゾナンス、、、
知らん単語のオンパレードに遭遇する。
そして実際にこのシンセのモニター上で知らん単語たちをいじってみて音を変えたりするのだが、種類によってはマジでいじっても違いがわからんのだ。
というか下手にいじってもプリセット音源のバランスを壊すことになるので大抵はプリセット音の劣化となってしまう。
この音作りが大変という話、専門的に説明しようと思えばいくらでも説明できるのだがとにかく大変だと言いたい。
具体的な話をすると1曲の数小節しかない1フレーズの音色のために数時間要するということもある。
実際にフレーズを暗譜する時間が5分なのに対し、音作りに何時間もかけている人はかけているのだ。
キーボードありの曲をコピーしたことがある人へ
もし一緒に演奏していてキーボードの音色が原曲からかけ離れておらず、全く気にならなかったならば、
そのバンドのキーボードはその音色を作り上げるのに下手したら数時間かかっているかもしれないという事実をわかってほしい。(切実)
労ってあげてほしい。(切実)
4.弾いてみたの数が少なすぎてナレッジを手に入れるのがきつい
このご時世、ある程度有名な曲ならばYoutubeで弾いてみたの動画が全くあがっていないということはほとんどないだろう。
そしてバンドをやっている人間で弾いてみた動画を参考にしたことがないという人、絶対いないと思う。
そもそも筆者は曲を紙の上におこすというのがそもそも無理があると思っていて
楽譜上からだけでは読み取れない要素っていうのは必ずあると考えている。
一つの曲があり、その一つの曲から生まれた一つの楽譜があったとして
その曲を知らない人間が楽譜通りに完璧に演奏したとしても、原曲の演奏を完全に再現できるということはそうそうないんじゃなかろうか。
話が脱線しそうなので戻る。
つまり何が言いたいかというと、楽器を演奏するうえでは楽譜だけではなく他人の演奏を参考できるとなればそれに越したことはないということを言いたい。
そしてキーボード、その「弾いてみた(叩いてみた)」を参考にすることが基本できないのである。
昔に比べたらある程度キーボードの弾いてみた動画も増えてきたのかもしれないが
他の楽器(ギター、ベース、ドラム)に比べればまだまだ圧倒的に少ない。
そしてこれ、キーボードあるあるなのだが
「(曲名) 弾いてみた キーボード」
などで検索したとしよう。
これで出てくる動画、「その曲のピアノアレンジ」率がめちゃくちゃ高い。
我々が求めているのはキーボードパートの演奏してみたであって、その曲がピアノだけで弾けたとしてもなんも嬉しくないのだ。
(と言いつつもキーとかリフの音階がわかったりするから全く助かってないわけじゃない、ピアノアレンジしてくれてる人ありがとう)
、、、とここまで長々と書いたのだが一旦ここまでを前半とする。
後半のネタもまだまだあるのだが反応がもらえれば嬉々として続きを書くし、もらえなければそれはそれで密かに続きを書き殴ろうと思う。
後半へ乞うご期待。